[同じ方向を向いて]
昨年のちょうど今日(8月30日)、8時半過ぎ、私は奥様の葉満先生から連絡を頂きました。「今、息を引き取りました」と。夜は私、朝・昼は葉満先生と…、交代で堀越先生のご容態を見守っていたので、家で、ちょっと休もうかと思っていた矢先でした。何を着たかも覚えていませんが、とにかく着替えて車で教会へ向かいました。家から教会まで車で1分しかかかりませんが、その時間がどれほど長く感じられたでしょうか。教会に着くと、堀越先生は天に召された直後でした。まだほのかに温かい先生の手を握りながら、「ありがとうございました」この言葉しか頭に思い浮かばなかったのをはっきりと覚えています。

堀越先生は91歳で天に召されました。私はそのうち4年ほどしかご一緒できませんでしたが、堀越先生との出会いで人生が変わり、方向性も全く変わってしまいました。そして、何より堀越先生を通して与えられたビジョンに出会いました。

私が好きな写真があります。アメリカのポートランドを訪問させて頂いた時のことです。ちょうど、アメリカの独立記念日で外では花火が打ちあがっていました。それをお二人で見ておられる写真です。普通なら、こちらに顔を見せて笑顔でパチリというのが美しい写真かもしれません。もしくは、お互い顔を見つめ合って…というのが愛らしい写真かもしれません。でも、堀越先生ご夫妻には、この写真がピッタリのように思います。ご夫婦二人で同じ方向を見つめている写真。

堀越先生が天に召された後も、奥様の葉満先生は同じ方向を見つめて歩み続けておられます。夫婦、一心同体。お互いばかりを見つめていれば、片方を失ったとき、見つめる先がなくなります。でも、同じ方向を向いて、手を握り合って進めば、たとえ、片方が先に召されても、見つめる先があります。堀越先生が天に召されて1年になりました。奥様は、同じ方向をじっと見つめて歩んでおられます。私も、その道に歩んでいるか…同じ方向を見つめているか…静かに考える1日にしたいと思います。

堀越先生の召天を覚えながら…

創愛キリスト教会 牧師 宮崎聖